数学的思考力の鍛え方¥パズル・クイズ
伊勢市*数学*塾・予備校*エムジェック*塾長の真鍋です。
前回の続きで、数学的思考力を高めるために何をすべきかを考えてみましょう。本来、何をすべきかを論ずる前にそもそも『数学的思考力』って何?という話が必要です。数学を研究している大学の先生方の著書等では、いくつかの力に分けて定義されていますが、ここでは、そこまで厳密に扱うつもりはありません。『思考力』と言われて漠然としたイメージはわくと思いますし「計算問題はできるけど文章題が苦手です」という生徒が必要とする力と考えてください。
まず鍛えてほしいのが色々な角度から見る力です。“押してもだめなら引いてみな”の感じですね。
例えば三角形の面積を求める問題で公式(底辺×高さ÷2)が使えないときにどうすればよいか?公式が使える2つの三角形に分けたり、長方形で囲んで余分な直角三角形を引いたり。あるいは、場合の数を求める問題で、まともに数えようとすると煩雑になる場合に余事象を全体から引くと楽に求められることがあります。つまり、ものの見方を変えることによって解法のカギや近道が見つかるケースがあります。一方向から凝視せずに斜めから見たり、ひっくり返したり裏返したり、切ったり貼ったり、する習慣を身に着けてほしいです。
そして、この感覚を訓練するのに最適なのがパズル・クイズです。ブロックを使った立体的パズルでも、文章(本)でも良いです。私は小・中学生のころに多湖輝先生の”頭の体操“を何冊も読んで大変お世話になりました。今でも覚えている問題がたくさんありますが1つ紹介しましょう。
「砂漠で2人が馬に乗って、遅くゴールしたほうの馬が勝つ競争をしています。暑いなか、2人ともがまんして進まないため勝負がつかず馬がへばってきます。そこで、ある相談をしたところ、2人は全速力でゴールに向かって走り出しました。さて、どんな相談をしたのでしょう?」というクイズ。
答えは『2人の馬を交換する』です。自分の馬が遅くゴールする=相手の馬が早くゴールするということに気づいたわけですね。このような問題をたくさん考え、答えを見て ”なるほど!“ と気づかされる経験を繰り返すと色々なものの見方に慣れてきます。受験生にパズルやクイズを解いている時間の余裕はないので、小学生から中学2年生までにはとてもおススメですよ。(続きます)