免疫のブレーキを見つけた坂口先生

伊勢市＊数学＊塾・予備校＊エムジェック＊塾長の真鍋です。2025年のノーベル生理学・医学賞に、日本の坂口志文（さかぐち・しもん）氏が選ばれました。

坂口氏は「制御性T細胞」という特別な免疫の細胞を発見したことで知られています。

私たちの体には、ウイルスや細菌などの「敵」を見つけてやっつける仕組み＝免疫があります。でも、この免疫が強く働きすぎるとどうなるでしょう。

今度は自分の体を攻撃してしまうことがあり、これが「自己免疫疾患」です。

坂口氏が見つけた「制御性T細胞」は、このような“暴走”を防ぐためのブレーキ役。免疫が「やりすぎ！」にならないよう、車のブレーキのように体の中でバランスを取ってくれているのです。

この発見によって、　自己免疫疾患（たとえば1型糖尿病や関節リウマチなど）を治す手がかりになったり、逆に、がん治療で免疫を“少し強くする”研究にもつながったりしています。

つまり坂口氏の研究は 免疫の「アクセル」と「ブレーキ」の両方を理解する道 を開いた、とても大きな成果です。

長年にわたる地道な研究の積み重ねが世界に認められた今回の受賞。　一つの発見が、人の命を救う医療へとつながっていく――そんな科学の力を感じるニュースでした。