なぜ今「非認知能力」

伊勢市*数学*塾・予備校*エムジェック*塾長の真鍋です。前回に続いて「なぜ、この非認知能力がこれほど注目されているのか」という背景を考えてみます。

1.知識偏重から「活用力」の時代へ
 かつての教育は、知識をどれだけ覚え、正確に答えられるかが重視されてきました。しかし、AI(人工知能)の発達により、「知っているだけ」では通用しない時代が訪れています。インターネットを使って、どんな情報もすぐに手に入ります。これからの社会で求められるのは、知識をどう活用し、問題を解決できるかという力。その土台となるのが、粘り強さ・創造力・協調性といった非認知能力なのです。

2.社会の変化に対応する「心の強さ」が必要に
 現代社会は変化のスピードが速く、将来の見通しが立てにくい時代です。そんな中で、失敗を恐れず挑戦したり、困難を前向きに乗り越えたりするためには、折れない心自分を信じる力が欠かせません。学力が高くても、ストレスやプレッシャーに押しつぶされてしまうことがあります。非認知能力は、こうした不確実な時代を生き抜く「心の体力」を育むものなのです。

3.学力や進路にも影響する
 「非認知能力は心の問題だから、勉強とは関係ない」と思われがちですが、実はそうではありません。研究によると、自己制御力ややり抜く力が高い子どもほど、学業成績も高い傾向があります。また、目標を立て、計画的に努力する力は、進学や将来の仕事選びにも大きく影響します。つまり、非認知能力は「学びの質」を高める力でもあるのです。

4.学校教育でも重視されるように
 文部科学省が定める新しい学習指導要領でも、「生きる力」や「主体的・対話的で深い学び」といった言葉が登場しています。これはまさに、知識の詰め込みではなく、自ら考え、他者と協働し、行動できる力を育てようという方向性です。非認知能力は、これらの学びを支える土台として教育現場でも注目されています。

まとめ
 非認知能力は、これからの時代を生きる上での「基礎体力」とも言えます。知識を得るだけでなく、それを活かして行動し、人と関わり、自分を高めていく力。それこそが、社会の変化に対応し、幸せに生きるための本当の学力ではないでしょうか。

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