理科では分数を使わない理由
伊勢市*数学*塾・予備校*エムジェック*塾長の真鍋です。数学では小数より分数を多用するのに、理科では小数で答えなければならないのはなぜでしょうか。
それは「有効数字」の考え方にあります。理科の計算では、与えられた数値や測定値に含まれる「どこまで正確にわかっているか」という情報が大切です。
例えば、質量を \(12.3g\) と測定した場合、小数第一位まで正しいことは保証されていますが、その先の位は不確かです。このような「信頼できる桁数」を示すのが有効数字です。
もし、答えを \(\frac{1}{3}g\) のように分数のまま残してしまうと、正確に \(0.33… g\)となり「無限の精度を持つ」かのような誤解を与えかねません。実際の測定器でそんな正確に質量をはかれるわけではありませんから「 \(0.33g\)(有効数字2桁)」のように測定の精度を反映した形で『小数』に直して答えます。
理科は単なる計算だけでなく「どこまで確かな値なのか」を表現する学問でもあるため、分数ではなく小数で答えるのです。

