物理 \電磁気 \リアクタンス
伊勢高3年生から「リアクタンスって何ですか???」との質問。
電磁気の最後『交流』の範囲に出てくるリアクタンスとインピーダンスの意味や抵抗(レジスタンス)との違いが分かりづらいですよね。これらはどれも電流の流れにくさを表す点が共通で単位は全てΩ(オーム)です。それでは何が違うのか、直流回路と交流回路に分けて確認します。
抵抗 R(Ω)、コンデンサー C(F)、コイル L(H)をそれぞれ直流電源 V(V)につないだ回路に流れる電流 I(A)を考えます。抵抗には、中学理科で学習したように一定の電流( $ I= \frac{V}{R} $ )が流れます。コンデンサーはスイッチを入れた直後だけ導線と同じように働き、その後は電流を流さなくなるため、導体⇒絶縁体へ変化したように振舞います。一方コイルはコンデンサーの真逆です。スイッチON直後は電流が流れず、時間が経てば導線と同じ状態になります。つまり、直流回路におけるコンデンサーとコイルは $ 0 $ (Ω)または無限大(Ω)として扱います。
しかし、交流電源につないだ場合は違います。コンデンサー、コイルとも決まった抵抗値を持ち、コンデンサーが $ \frac{1}{ωC} $(Ω) 、コイルは $ ωL $(Ω)で計算します。 これらの値がリアクタンスです。なお、抵抗は交流でも直流でもR(Ω)で変わりません。
そして、抵抗とリアクタンスを合わせたトータルがインピーダンスです。交流回路では電圧に対する電流の位相の進み(コンデンサー)や遅れ(コイル)があるためインピーダンスの値を求める式は $ \sqrt{ R^2 + (ωL – \frac{1}{ωC} )^2 } $ となります。
まとめると、抵抗、リアクタンス、インピーダンスとも電流の流れにくさを表し、インピーダンス=抵抗(直流、交流共通)+リアクタンス(交流のみ)です。