物理基礎始まる

伊勢高校、宇治山田高校2年生が物理基礎を学習中です。まだ教科書の最初の部分を少し習っただけですけど『分かりづらい』との感想が多いです。

有効数字の扱いを練習した後、等加速度運動の範囲に入っていきます。中学校の理科には登場しない「相対速度」や「加速度」の概念が掴みづらいため毎年苦戦します。単に公式を覚えて当てはめようとせず、物体の動き(向き、加速、減速、…)をイメージすることが大切です。

相対速度であれば実生活で経験、体感していることに結び付けるといいです。例えば、高速道路で自分が乗っている車が時速100kmで走行中、その横を時速110kmで走る車が追い越していく場面を想像してください。時速100kmや110kmは高速道路でしか出せないとても速いスピードです。にもかかわらず、追い越していくとなりの車はゆっくり進んでいるように感じるはずです。時速100kmで移動している自分にとって110kmの車はその”差”時速10kmで走っているように見えるからです。この『時速10km』が私から見たとなりの車の相対速度です。止まっている人が見る実際の速度とは違って動いている人には『速度の差』に見えるわけです。

速度の差を求めるときに、同じ向きや真逆の向きに運動している場合であれば単純計算(差または和)で求められますが、ある角度で運動していると速度の矢印の図を描く必要があり難解になります。数Bのベクトルをまだ習っていないことも理解しづらいことの一因ですね。それから、速度や加速度の向き(符号)に注意してください。これまで数学でも理科でも速度=速さとして常に正の値で計算してきました。これからは「速度」と「速さ(=速度の大きさ)」を区別しなければいけません。速度や加速度は“大きさ”と“向き”をもつ量すなわち”矢印”で表す習慣をつけましょう。

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