倍数の特徴
宇治山田高校文系3年生のCちゃんから倍数の条件に関する質問がありました。問題自体は「場合の数」を求めるもので
$0から4$の5つの整数から異なる3つを並べて3桁の数を作るとき9の倍数と4の倍数はそれぞれ何個できるか
ここで『何個できるか?』を考える以前に9の倍数と4の倍数の特徴が分からなければ始まりません。ということで基本的な倍数の特徴を挙げておきます。
2の倍数(偶数)は1の位の数が偶数、5の倍数は1の位が0または5ですね。
続いて3の倍数の特徴は各位の数の和が3の倍数になっていることです。
(例:462⇒4+6+2=12 ⇒12は3の倍数なので462も3の倍数)
9の倍数の特徴も同様で各位の数の和が9の倍数になります。
(例:531⇒5+3+1=9 ⇒9は9の倍数なので531も9の倍数)
そして4の倍数の特徴は知らない(忘れた)人が多いかもしれません。何桁の数でも下2桁が4の倍数(00,04,08,…,36,40)であれば4の倍数です。
(例:904,1316)
それでは上の問題を解いてみましょう。まず9の倍数の個数から求めます。$0~4$の5つの整数から3つの数字の和が9の倍数になる組み合わせを考えます。和が最大になる$4と3と2$を足すとちょうど9になることから、この1組しか無いことが分かります。よって3桁の数の個数は2,3,4を並び替えてできる3!=6(個)です。
続いて4の倍数の個数は下2桁が4の倍数になるものを数えます。$0~4$の数字で作れる2桁の4の倍数を書き出すと 04,12,20,24,32,40の6つ。これらにそれぞれ最上位の数字が何個ずつあるかを考えるとき、最上位に0は使えないことを注意してください。6つの数のうち0が含まれている3組(04,20,40)はそれぞれ残りの3つの数字(04であれば1と2と3)のどれでも最上位に使えるので3×3=9(個)作れます。しかし、あとの3組(12,24,32)はそれぞれ残りの3つの数字のうち0以外の2つ(12であれば3と4)しか最上位にくることができないため2×3=6(個)になります。したがって、4の倍数になる3桁の数は全部で9+6=15(個)です。
倍数の特徴は他の範囲の問題にも登場しますから覚えておいてくださいね。