前問の利用

数学の問題を解くときに前の小問の解を利用することを常に念頭に置いておく必要があります。例えば1つの大問が4つの小問(1)~(4)で構成されている場合(1)(2)の解を(3)で、(3)の解を(4)で利用することが多いです。見方を変えれば(4)の問題を解くために(1)→(2)→(3)→と、誘導してくれているわけですから、これを意識できているか否かによって(4)の正答率に大きな差がでます。このような流れは各種数値を求める問題だけでなく証明問題にも頻出なので1つ紹介します。

(1) p>1,q>1のとき
  不等式p+q1<p+q1を証明せよ
(2) a>1,b>1,c>1のとき
  不等式a+b+c2<a+b+c2を証明せよ

(1)は右辺全体の2乗から左辺の2乗を引いた式が正になるよう変形する正攻法によって証明します(詳細は省略)。そして(1)で証明された不等式を利用することによって(2)をスマートに解くことができる仕組みです。『前問を利用する』方法は問題によって様々で、簡単なものもあれば手の込んだ(気の利いた)複雑な手続きが必要なケースもあります。今回の問題は中レベルでしょうか。答えを見れば容易に理解できても自力で解くにはパズルのような難しさがあり、ぜひ慣れてもらいたい例題です。それでは、利用の仕方をみていきましょう。
まず証明したい不等式の左辺からスタートします。根号の中をa+b+c2=a+b1+c1 と変形します。ここで(1)の不等式の両辺へp=a+b1,q=cとして代入すると(a+b1)+c1<a+b1+c1
さらに、この式の右辺に(1)の不等式を利用すればa+b1+c1<a+b1+c1=a+b+c2(=証明したい式の右辺)になり、めでたしめでたしです。この問題では(1)の結果(不等式)を1回ではなく2回使うところがポイントですね。
*実は、解説を見やすくするために(1)と(2)で文字の種類を変えました。もともとは(1)の文字がp,qa,bと、より混乱しやすくなっています。

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