場合分け
中学校で習う数学と高校数学の違いの1つに「場合分け」があります。
どの範囲であっても“場合分け”は登場しますから「いつ場合分けをしなければいけないのか?」という質問をよく受けます。「いつ?」に対する回答は無く、場合分けをしなければ問題を解けないから「せざるを得ない」のです。裏を返せば「いつ」場合分けをしなければいけないかを意識しなくて良いのです。
例えば ax=3(aは定数)というxの方程式を解く場合、うっかりすると両辺をaで割って x=3/a と答えてしまいます。定数aに何の制限もなければa=0の可能性もあります。“0”で割ることは禁じられているため0になるかもしれないaで割ることはできません。そこで“場合分け”の出番です。a=0のときとa≠0のときと2通りに場合分けをしてそれぞれで別々の答えがでてきます(答えは省略)。
この例のように、場合分けが必要かどうかを判断してから解き始めるのではなく、解く過程で場合分けをしなければ先に進めないから「せざるを得ない」ということです。方程式・不等式の問題に限らず、関数でも場合の数や確率でも同じです。ですから、場合分けの仕方よりも、まず、場合分けをしなければ先に進めない(進んではいけない)こと自体に気づけることが先決であり、より注意しながら演習にあたってください。