最後の一歩
三重県立高校の後期選抜試験まで2週間を切り、受験生のみなさんは最後のもうひと頑張りです。ここまでくると苦手科目、得意科目を意識せず大きな抜けがないか全体の見直しをして本番に備えてください。
今、問題演習をするときに最も重要なことは「分かった問題を必ず正解する」です。高校入試は同程度の学力を持った生徒が集まって受験しますからボーダー付近では1点差の勝負になります。そうなると1つのミスが合否を分けます。残念ながらミスを完全に無くす方法はありません。それでも、普段の演習を積み重ねるなかで減らすことは可能です。
数学の採点をしていると最後の最後で間違えるケースを多く目にします。例えば、30問の計算演習で最後の1問だけ間違えている。難しい図形の応用問題で解法を見つけ出し途中の複雑な計算はできたのに、最後に2つの数字の足し算で計算ミスをしてしまうなど、無意識でしょうけれど『できた』と思った瞬間にスキが生まれるのかもしれません。
徒然草の中に『高名の木登り』という有名なお話があります。木登り名人が人に指図して高い木の枝を切らせたとき、高い危険なところで作業しているときには何も言わず、低い安全な高さまで降りてきたときに「用心して降りなさい」と声をかける話です。安心して気が緩んだときに大失態しやすいことを戒める教訓ですね。複雑な計算や難しい問題を考えている間は自然に集中して丁寧な作業になりミスはおきません。しかし、“分かった!” “できた!”と思ったときが要注意ですよ。
最後の1歩を着地する時にこそ最大限慎重になる習慣を身に着けてください。